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こむな夜か又も有うか月に雁 歌川広重 ‥

こむな夜か又も有うか月に雁  歌川広重 ‥

上空から眺めるような幾重にも盛り上がった空から、舞い降りる三羽の雁を短冊判にまとめた広重の傑作「月に雁」。その作品の左上の画賛の句です。1949年に切手の図柄にも選ばれたもので、澄み渡った秋の空遠く、物悲しげな雁の声が聞こえてくるかのようです。

満月の前を舞い降りる三羽の雁が、何と美しいことか。
こんな夜が またと来るだろうか、いや、来るまいー
〔意訳〕

あまりの美しい光景に、広重のため息が聞こえるようです。忘れられない夜だったのでしょう。


「月に雁」落款の「鹿」「馬」に隠された秘密

広重の遊び心でしょうか‥、落款の「鹿」は「福」に、「馬」(後ろ姿)は「寿」にデフォルメされ、「馬鹿」と「福寿」の二重の意味を隠されています。

初代 歌川広重とは‥江戸時代の浮世絵師

寛政9年〈1797年〉- 安政5年9月6日〈1858年10月12日〉。本名は安藤重右衛門。幼名を徳太郎、のち重右衛門、鉄蔵また徳兵衛とも称した。「安藤広重」と呼ばれたこともあるが、安藤は本姓・広重は号であり、両者を組み合わせて呼ぶのは不適切で、広重自身もそう名乗ったことはない。

江戸の定火消しの安藤家に生まれ家督を継ぎ、その後に浮世絵師となった。風景を描いた木版画で大人気の画家となり、ゴッホやモネなどの西洋の画家にも影響を与えた。

広重の月といえば、切手趣味週間の記念切手として昭和24年〈1949年〉11月1日に発行された
「 月に雁かり 」が有名ですが、広重はその他にも月を配した数多くの作品を残しています。

 

雁暮れて西湖明るし眞帆片帆 正岡子規

 

まとめと関連情報

上空から眺めるような幾重にも盛り上がった空から、舞い降りる三羽の雁を短冊判にまとめた広重の傑作「月に雁」。その作品の左上の画賛の句です。

こむな夜か又も有うか月に雁 歌川広重 ‥
月に雁‥読み方や意味と切手と‥
 

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