余裕綽綽の読み方、意味、由来など‥
余裕綽綽の読めるだろうか?そう、余裕綽綽は「よゆうしゃくしゃく」と読む。余裕綽綽とは、ゆったりと落ち着いて悠然としているようすで、わざわざ意味を調べなくてもおおよそ見当がつくのではないだろうか‥。
ところで、この余裕綽綽という言葉、由来を知ると座右の銘にしたくなるような四字熟語であった。きっかけは、安岡 正篤(やすおか まさひろ)さんの一日一言。4月23日のテーマは「余裕」であり、次のような内容のことを言われている。
「千万人と雖も吾往かん」と言った孟子が同時に別面において、「豈に綽綽余裕有らざらんや」と言って余裕というものを論じております。
乱世になればなるほど、われわれは余裕というものを持たなければならない。
余裕があって初めて本当の物を考えることも出来る。本当に行動を起こすことも出来るわけです。
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孟子(もうし)とは‥紀元前372年? – 紀元前289年?
孟子(もうし)は、中国戦国時代の儒学者、思想家。「子」は先生という意味で尊称。孔子の孫である子思の門人に学業を受けたとされ、儒教(特に朱子学)では孔子に次いで重要な人物とされる。そのため儒教は別名「孔孟の教え」とも呼ばれる。言行は『孟子』に纏まとめられている。性善説を主張し、仁義による王道政治を目指した。
余裕綽綽の出典、由来など‥
さきほどの、「豈(あ)に綽綽余裕有らざらんや」の出典は『孟子・公孫丑・下』。「綽」は「緩」(ゆるい)と同じで、ゆったりとする意。また、「余裕」は、たっぷりとしたゆとりの意。
ところで、孟子がこのような言葉を言われた背景ですが‥
斉(せい)の国の役人が、孟子に言われて王を諫(いさ)めたが容いれられず、辞職した。ある人が孟子に「あなたはどうする」と迫った。すると孟子は「我に官守(かんしゅ)(官職)無し、我に言責(げんせき)無し、則(すなわ)ち吾(われ)の進退、豈(あに)綽綽然(ぜん)として余裕有らずや」(私には官職もなく、諫いさめる責任もない。だから私の進退は、ゆったりと余裕があるのだよ)と言った。(以上、漢字の世界より引用)
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この話だけであれば、いかにも心に余裕があったように思えるが、一方で、「孟子は王の師をもって自任し、これに全力を傾けることで王の待遇に報いていると自負していたはずだ。その責任の大きさを考えれば余裕はなかったろう。余裕綽綽はゆるべきことやるところから生ずるので、何もやらないで時間が余ることはなさそうだ。」とのコメント(久米旺生(さかお))も見られる。
とはいえ、「正しいことをしていれば何もビクビク畏れることはないのです。」は正論である。
まとめと関連情報
余裕綽綽の読めるだろうか?そう、余裕綽綽は「よゆうしゃくしゃく」と読む。余裕綽綽とは、ゆったりと落ち着いて悠然としているようすです。人生、常に、この言葉を心に持って歩みたいものです。
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